北の言葉:10 名もない雑草にも陽は当たる
170805 SappporoTeine
名もない雑草にも陽は当たる。
彼は問いかけに語ろうとしなかった。心の中にある、大切な言葉を。
同じ志を持ち、道を外れた先輩から受け継いだ魂。
ある記事のインタビューで応えている。
「自分に合っているなと思って、この言葉が好きになった」
その気持ち、よく分かる。
伸びた雑草が一斉に花開くとき、誰もが驚く彩りとなる。
言葉帖:3 必要なのは走り続けることじゃない 走り始め続けることだ
何度でも立ち止まって
また何度でも走り始めればいい
必要なのは走り続けることじゃない
走り始め続けることだ
春の嵐の一騎討ち
滋賀県 cafe alivio 2014.03.09より
この人もある意味では、北国生まれの「うたいびと」である。
今年で30周年を迎えた札幌のフォーク小屋LOGで育ち、
野狐禅として全国へ羽ばたいていった。
歩みは紆余曲折をたどり、彼は今、強烈な輝きを放っている。
メジャーになろうとも、小さなライブ小屋を回り、かつての音楽仲間を大切にし続ける。
その心根のぬくもりは、歌詞ににじみ、弱きものと同じ目線で語り掛けてくるのだ。
生きる、ということは決して簡単なことじゃない。
だからこそ支えが必要なんだ。存在として、言葉として。
これからも輝き続けろ。竹原ピストル。
世の中に、優しさという銃弾を撃ち込めばいい。
北の言葉:9 ビジョンだけが心の支えだった
ビジョンだけが、心の支えだった。
ー札幌発の健康体操を全国に広めるトレーナー
腰を痛めてスポーツ選手を断念したことが、
健康な体づくりへの仕事を志す原点だった。
しかし、夢は途方もなく大きかった。
世界共通の体操をつくりだすー
辛酸をなめ、どさ回りに汗を流し、それでも諦めなかった。
体操開発から10年。体操は全国に知られるようになった。
夢への歩みは道半ば。もがくように進む彼がいる。
北の言葉:8 美しいものは美しいのです
時間をへても、国が違えども、美しいものは美しいのです
ー亡きジャズマンの妻
四十年も前の音色やメロディーが今再び、世界中で再評価されようとしている。
ジャズマンは作品の飛躍を知らず、あの世へと旅立った。
妻は信じていた。愛する者が奏でた旋律の美しさを。
異界から見つめているだろう彼の、胸の内はいかばかりか。
北街点描:2 春蒼桜
青空がそこにあるだけで幸せなのに、
桜も満開なんて、心がウキウキする。
はや五月。
ようやく北国にも春が来た。
どの町にも、どの国にも平等に、春は来る。
地球はフェアであり、でっかいなあ。
北の言葉:7 この舞台にできるだけ長く立っていたいんです
「このお笑いの舞台に、できるだけ長く立っていたいんです」
-芸歴8年を数える齢34の芸人
170425@sapporo 花開いた「きたこぶし」
木戸賃はわずか100円。
お世辞にも「売れている」とは言えないのに、その目は穏やかだった。
それでいて、決して何かをあきらめているようには見えない。
目の前の人々を笑わせる、そのことに人生をかけてゆく。
華やかなステージなどなくたって、道をあきらめることなく、
人は希望を持って生きてゆけるのだと思えた。
そういう、いわばありふれた「生」を記録していきたい。
凡なる人々が己を投影できるような。
他者を見つめて、よく似た己がそこに見えた時、
「ひとりじゃない」と思えるのかもしれない。
僕は、彼に同じにおいを感じた。