山川草木

日々を愛する 音楽と言葉 from northern land 

歌帖②大人の言うことを聞け(nakamura emi)

1年前だ。

知人の元音楽プロモーターにrhymesterが好きだと言ったら、nakamura emiを勧められた。

きょう、偶然youtubeのお勧めリストに出てきたので、あぁこれかとクリック。

メロディー、歌詞、映像。全てのパンチ力に圧倒された。

もう2時間も続けて聞いている。

才能がぶつかりあって誕生した曲に違いない。

 

www.youtube.com

うそかホントか分からないwikipedia情報によれば、

nakamura emiが影響を受けたミュージシャンは、rhymester竹原ピストルであるという。

監督は 吉開 菜央 。

31歳の気鋭の映像作家であり、ダンサー・振り付け師として津玄師のlemonのMVにも出演している。

ダンサーの最年少は当時小学3年生の秋間柚季江。

 

江戸川の土手を吹き抜ける猛烈な風。

真っ赤なドレスをひるがえし、激しく舞うダンサー。

真っ青な青空と、強烈に差し込む朝日。

全てが「どはまり」している。

 

歌い出しは、大人と子供の関係性に例えながら、社会へのアンチテーゼを強烈なリリックではき出して行く。

ただ、聞き進めると、見える風景は変わって行く。

 

”大人の言うことを聞け

 けっして言う通りにしろじゃない

光っていたら信じて

 腐っていたら反面教師

聞いて 流して 信じて 捨てて

 良くも悪くもお手本だ

子どもと大人の真ん中のこの曲も聞いて捨てろ”

 

両者の関係性を破壊で終わらせるのでは無く、最後は有機的に結びつけてゆく。

たかが4分のMV、歌詞のストーリー性を過不足なく表現しきっている。

若者にも、かつて若者だった大人たちの胸にも、間違いない響く歌だ。

親子、学校、職場、地域―どの現場でも成り立つ。

 

”純粋にものを見れるから

 これをやりたいという君達

「頭ごなしー反対かー家出ていくよーそれならばもー」

 若い頃かいた恥を君に 味わわせなくはないのだろう”

 

4歳の次男にMVを見せたら、真面目な顔をして聞いてた。

そう。俺も君も、根っこは同じなんだ。でも言ってしまうだろう。

「大人の言う通りを聞け」。

自分の恥、失敗、哀しみを味わわせたくないから。

 

判断するのは君だ。君が、判断すればいい。

 

光っていたら信じて 腐っていたら反面教師

聞いて 流して 信じて 捨てて 良くも悪くもお手本だ

 

若造。俺だって、いつだって、そうありたい。