山川草木

日々を愛する 音楽と言葉 from northern land 

北の言葉:9 ビジョンだけが心の支えだった


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ビジョンだけが、心の支えだった。

ー札幌発の健康体操を全国に広めるトレーナー

 

腰を痛めてスポーツ選手を断念したことが、

健康な体づくりへの仕事を志す原点だった。

しかし、夢は途方もなく大きかった。

世界共通の体操をつくりだすー

辛酸をなめ、どさ回りに汗を流し、それでも諦めなかった。

体操開発から10年。体操は全国に知られるようになった。

夢への歩みは道半ば。もがくように進む彼がいる。

北の言葉:8 美しいものは美しいのです


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時間をへても、国が違えども、美しいものは美しいのです

ー亡きジャズマンの妻

 

四十年も前の音色やメロディーが今再び、世界中で再評価されようとしている。

ジャズマンは作品の飛躍を知らず、あの世へと旅立った。

妻は信じていた。愛する者が奏でた旋律の美しさを。

異界から見つめているだろう彼の、胸の内はいかばかりか。

 

 

北街点描:1 市鉄沿線

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市鉄沿線

路面電車のことを市鉄と呼んでいる。

市電、が私の耳慣れた呼称。

なにか理由でもあるのだろうか。

それにしても不思議な店名だ。

鉄道ファンの店だろうか。

北の言葉:7 この舞台にできるだけ長く立っていたいんです

「このお笑いの舞台に、できるだけ長く立っていたいんです」

-芸歴8年を数える齢34の芸人

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170425@sapporo 花開いた「きたこぶし」

 

木戸賃はわずか100円。

お世辞にも「売れている」とは言えないのに、その目は穏やかだった。

それでいて、決して何かをあきらめているようには見えない。

目の前の人々を笑わせる、そのことに人生をかけてゆく。

華やかなステージなどなくたって、道をあきらめることなく、

人は希望を持って生きてゆけるのだと思えた。

 

そういう、いわばありふれた「生」を記録していきたい。

凡なる人々が己を投影できるような。

他者を見つめて、よく似た己がそこに見えた時、

「ひとりじゃない」と思えるのかもしれない。

 

僕は、彼に同じにおいを感じた。

北の言葉:6 本気で頑張る奴から出たものは、歌であっても、歌でなくても、それはあなた自身へのラブソングなんだ

「何かを真剣に本気にやってる奴は絶対にバカにできなくて

そいつから飛び出たものは歌であっても、歌でなくても

それはあなた自身への、自分自身へのラブソングなんだって歌です

全速力っちゅうナンバー」

ーあるライブに立つ武田英佑一

 
the武田組 全速力PV - YouTube

 

悔しさ、悲しさ、不甲斐なさー。

苦悩する人々を勇気づける歌がある。

それは、同じ経験を乗り越えた「全速力の本物」から放たれた「ラブソング」なのだと、

北の歌い人は熱く訴える。

 

彼はいう。

「ラブソング」は歌である必要もない。

言葉、行動、形。

身の回りに溢れているはずの人々の愛が感じられるようになると、

勇気を持って、生きられるようになる。 

 

以下、歌詞引用

"今夜は呑んだぜって自分で納得した後の
明け方の中での三色鶏弁が大好きだ
普通じゃないし無難じゃねーって 言い聞かせてた日々
向かってくる波に乗れなかったんだよな

近頃の俺やあなた 波に向かって歩けてたらいーよな
いい歳こいて 不安で呑まずにいられなかった日々
 
起こったことの全て 駆け抜けていった日々
全てなんて刻み込めないが
真っ直ぐなあなたへの歌 書いてくんだよ

あなたがどんなに悔しくて あなたがどんなに悲しくて
自分抱えてガタガタ震える夜も
全速力の本物から放たれた歌は
全てあなたへのラブソングなんだよ"

言葉帖:2 憲法とは、国家権力を制限する規範である

憲法とは、『国民みんなが守る大切なきまり』ではなく、『国民みんなで権力を制限する大切なきまり』」

水島朝穂「はじめての憲法教室」

 

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札幌市北区

 

国家権力から国民をいかに守るか。これが憲法の本質であると、著者は指摘する。

そして、憲法に根ざした立憲主義は、時に民主主義とは相いれないものにもなる。

すなわち、民意が戦争に突き進もうとする時、憲法はそれを食い止める役目を果たす。

 

たかが全103条の条文に、日本の国としてのあり方が凝縮されている。

そして、国家権力は自らを縛る憲法の鎖を緩めようとしている。

 

これは立憲主義とは相いれない、国体思想によるものだ。

立憲主義X民主主義=戦後・欧米 V.S. 国体思想=戦前・日本固有?

これが、改憲論議から色濃く浮き出た二項対立の構図とするなら。

 

1票の重みを、よく考えたい。